株式会社サンエース|水栓金具から美容機器まで対応|組立・検査

偏心管の効率的・高精度な組み立て

偏心管の効率的・高精度な組み立て

偏心管は、蛇口本体と壁からの給水・給湯配管を接続する役割を担う、水栓において極めて重要な部品です。水とお湯を本体内で適切に混合させる機能に加え、壁からの配管ピッチと本体側の接続位置のズレを吸収する「偏心構造」によって、正確な寸法精度と高い水密性が要求されます。

これらの工程を手作業や汎用治具で行っていた場合、作業時間の増加や組み立て精度のばらつきといった問題が発生しやすく、安定した品質での量産体制を確保する上で大きな課題となっていました。


偏心管の組み立てにおける効率性と精度の確保という課題に対し、株式会社サンエースでは、独自の技術と工夫を取り入れた最適化された組み立て工程を構築しています。作業は専用の「セル」または「ライン」で行われ、各工程における品質と生産性の両立が図られています。

主要な工夫のひとつが、部品の正確な位置決めを補助する「スライダー」機構の導入です。このスライダーは、常に垂直方向の動きを保持するためのガイド機能を持ち、作業者の手作業による微調整の負担を軽減。組み立て精度の向上と作業の安定化に大きく寄与しています。

さらに、組み立て工程にはボンド塗布が含まれており、塗布の精度と安定性を確保するために、自社で開発・製造した専用装置を導入しています。この装置により、必要な箇所へ適切な量のボンドを均一に供給することが可能となり、製品ごとの品質ばらつきを抑えるとともに、作業効率の向上にも貢献しています。

また、特定の部品の固定工程では、つば状の部品とネジ部品を組み合わせ、回転時の摩擦を利用しながら上方向から挿入・固定する独自の機構を採用。これにより、スムーズかつ確実な固定が可能となり、作業性と信頼性の向上が実現されています。

これらの工夫を各工程に組み込むことで、株式会社サンエース様では、偏心管の複雑な組み立てを高精度かつ高効率に行う生産体制を確立しています。

偏心管の効率的・高精度な組み立て